全国公演

『命どぅ宝』


戦後の沖縄復興と日本復帰に生涯をかけ闘い抜いた、瀬長亀次郎と 阿波根昌鴻の不屈の魂がいま再び蘇る──


《― 沖縄の人達は、なぜ座るのか? ―》


 私が劇映画『沖縄』に出演するために、二度の渡航拒否を受けてから、もう五十年近くの歳月が流れました。三度目に申請に行った時の都庁の窓口の方の、私と後ろに並ぶ沖縄出身の学生さん達に対する対応は、今で言えばパワーハラスメントそのものでした。戦争に敗けたからとはいえ、沖縄の方々が戦勝国アメリカと祖国日本にいかに不自由で理不尽な生活を強いられているか、その一端を肌で感じた忘れられない思い出です。  それ以後、沖縄は日本に復帰し、往来は自由になったとはいえ、限りない不自由を押しつけられている現状は昔と少しの変わりもありません。しかし、私にはこの不自由さと斗う沖縄の方々の中に、私達おおかたの日本人が失いかけている、日本という国の希望と誇りを強く感じる事があるのです。 そして、蘇ったのが阿波根昌鴻と瀬長亀次郎という突出した二人の人物でした。この二人と出逢っていただけたら、沖縄の方々が何故へこたれずに座り続けるのか? 何を求めていられるのか? ほんの少しわかっていただける気がするのです。

企画・出演 佐々木愛


《スタッフ・キャスト》


作=杉浦久幸
演出=鵜山仁
美術:乘峯雅寛 照明:古宮俊昭 音響:齋藤美佐男 衣装:岸井克己 音楽:吉田さとる  舞台監督:鳴海宏明 制作:中山博実
〈出演者〉
佐々木愛 津田二朗 青木和宣 米山実 沖永正志 白幡大介 姫地実加 高橋未央 藤原章寛 井田雄大 為永祐輔 兼元菜見子 岡田頼明 大山美咲 萩原佳央里 早苗翔太郎 田中孝征 若林築未 桑原泰 深沢樹 季山采加 泉建斗 阿部由奨 川越司