劇団文化座公演
田端文士村シリーズ
芥川龍之介「羅生門」「戯作三昧」「杜子春」より
構成・美術・演出:原田一樹
2021年12月9日(木)~12日(日)
文化座アトリエ
2021年2月5日(土)・6日(日)
北とぴあ つつじホール
<STORY>
「羅生門」
或る夕暮れ、羅生門の下、暇を出された一人の下人が生きる為に盗人になるか、飢え死にするか、途方に暮れて居た。夜、門の楼上で下人は、老婆が女の死体から鬘にして売る為に髪を抜いているのを見て激しく憤るが、老婆の「この女も生きる為に蛇を干し魚だと偽り売って居た。生きる為には仕方無かった。なら、わしがこの女の髪を売るのも生きる為には仕方無い」との言い分を聞き、自分も生きる為に盗人になる決意をし、夜の闇へと消えた。
「戯作三昧」
主人公の滝沢馬琴は、或る日の午前、銭湯で身体を洗っているとき自著である『南総里見八犬伝』の批評を聞いてしまう。良い評価を聞くのは構わないが、悪い評価は自分の作品に影響を与えてしまうので極力聞きたくない。とはいえ、馬琴も好奇心には勝てず悪い評価を聞いてしまう。馬琴は編集者に原稿を催促されて、嫌な気持ちになったり、友人である画家に触発されたりする。いざ、八犬伝の続きを書こうと思い昨日書いた分を読み返すと納得できず、さらに読み返すと、いよいよ初めから書き直すしかないと感じ憂鬱になってしまう。絶望的な気分になり、自身の才能すら疑い出した馬琴のもとに孫がやってきて観音様のお告げとして「勉強しろ。癇癪を起すな。もっとよく辛抱しろ」と言葉を放つ。それを聞いた、馬琴の心は澄み渡り、その夜、嵐のような勢いで筆を走らせた。
「杜子春」
唐の都に佇む若者・杜子春。生活に困り果てた彼は、不思議な老人の力で大金持ちに。しかし、かえって人々の薄情さにふれ、人間に愛想が尽きてしまいます。彼は仙人の弟子となり、仙術の修行を受けることになりますが、そんな杜子春を待ち構えていたものは……。どんなことがあっても声を出してはならない。この言い付けを守り、耐える杜子春でしたが、鞭打たれる父母の姿にとうとう言葉を発してしまう。仙人になれなかった杜子春は、何も望まず「人間らしい、正直な暮らし」をしようと改心する。それを祝福した仙人は、一軒の家と畑を杜子春に贈った。
〈STAFF〉
照明:加藤俊彦
音楽:和田啓
音響:齋藤美佐男
衣装:西原梨恵
映像:浦島啓
舞台監督:宮崎義人
演出助手:中田千尋
制作:小林悠記子
〈CAST〉
「羅生門」
下人(語り手六):原田琴音
老婆(語り手五):神﨑七重
語り手一:小谷佳加
語り手二:深沢樹
語り手三:松永佳子
語り手四:岩崎正芳v
「戯作三昧」
馬琴(語り手四):岩崎正芳v
平吉/銭湯客/和泉屋(語り手三):松永佳子
杉(語り手二):深沢樹
崋山(語り手一):小谷佳加
太郎(語り手六):原田琴音
語り手五:神﨑七重
語り手七:上山裕子v
「杜子春」
杜子春(語り手二):深沢樹
鉄冠子(語り手三):松永佳子
語り手一:小谷佳加
語り手四:岩崎正芳
語り手五:神﨑七重
語り手六:原田琴音
語り手七(文):上山裕子
パンフレットより